酵素でデトックス!
ファスティングダイエット!
など、酵素を美容・ダイエットのために役立てる方も多いようです。
実は…
「酵素でデトックスをしようと考えること自体ナンセンス、そもそもデトックスが出来るという医学的なデータすらない」
という厳しい意見もあります。
一体どういうこと?!
酵素のデトックス効果に迫ります。

意外と知られていないデトックスの本当の意味
デトックスはダイエットに欠かせないキーワードになっています。
「身体の中溜まった毒素や老廃物を汗などで体外に排出する」と言ったイメージでしょうか。
ですが、デトックスの本当の意味は「解毒」です。
医学的には重金属の中毒、毒薬、大量の放射線物質を体内に取り込んでしまった時にだけ行われる、特別な処置になります。
通常、重篤な状態になるほどの毒素や老廃物を人間の体は溜め込まない様にできています。
尿や汗、排泄物を通して少しずつ排出されているからです。
「じゃあ、尿・汗・排泄物を滞りなく出せばデトックスになるんじゃないの?」と考えるのは、少し甘いかも知れません。
一時的に汗をかく、便通をよくするなどしても毒素や老廃物は一気に排出されません。
また、狙った毒素や老廃物だけが排出されるとも考えにくいのです。
金属や毒素に対して、デトックス商品の使用後に血中の量が減ったなどの医学的なデータもいまのところありません。
つまり巷でいわれているデトックスというのは、定義がとても曖昧で医学的に見ても不確かな点がとても多いんですね。
こうした背景もあり、「巷でいうデトックスには効果がない」と言った意見も多いです。
酵素ってそもそも何?
体の中では3千種類以上の酵素が、生きるために大切な働きをしています。
酵素の役割は代謝に留まらず、食べ物の消化・吸収、物質の合成など、あらゆる体内の化学反応の仲介役をしているんです。
例えば、たんぱく質の分解には「ペプシン」と言う消化酵素が働きます。
ブドウ糖(グルコース)は「ヘキソキナーゼ」という酵素の働きで「グルコース-6-リン酸」と形を変えて、そこからさらに他の酵素が働くことで最終的にはエネルギーへと変換されます。
体内で重要な働きをする酵素を摂取することで、摂取したままの状態の酵素として働くかのように宣伝されている商品も多いです。
ですが実は違います。
酵素はたんぱく質の一種で、さらに紐解けばアミノ酸からなります。
酵素を摂取したとしても、通常のたんぱく質と同様に胃腸で消化・分解されてしまうので酵素そのものとして働くとは考えにくいんです。
「じゃあ、酵素を摂取しても特に意味はないの?」
「デトックス効果はないの?」
と疑問ですよね。
酵素の摂取によるデトックス効果を言い切ることは厳しいですが(医学的なデータがないため)、健康維持に役立てるのであれば効果を期待できるかも知れません。
酵素の健康効果について
酵素はたんぱく質の一種で、体内に取り込まれると分解されてアミノ酸になり、アミノ酸から体の必要な部位である心臓、内臓、脳、筋肉、爪、肌などに作り替えられていきます。
アミノ酸は人体の根源と言っても過言ではないかも知れませんね。
「酵素」を作っているのも「アミノ酸」です。
なので、酵素を含んだたんぱく質を食べて分解し、栄養素としてアミノ酸をいただくことで、自分の体にあった酵素(消化酵素・代謝酵素)を体内で作ることができると考えられます。
特に消化酵素は食べ物の消化・吸収をスムーズにすることで消化器官への負担を減らし、弱った胃腸の調子を整える働きが見込めます。
胃腸が弱まれば、消化不良を起こして腸内で「腐敗」「異常発酵」「酸敗」と言う過程をたどります。
悪玉菌のエサとなり腸内環境を乱してしまうんです。
すると便秘につながり、排泄が上手くできなくなる→腐敗ガスが充満して血液に流れる→血液の質の低下などの状態を招きます。
酵素を摂取して、消化酵素をしっかり作り出せる状態にすることで、胃腸の働きをサポートして健康維持に役立てることができるというワケです。
※「酵素には限界量がある」なんて言われていますが、酵素は必要な分だけ必要なときに必要な量が新たに合成されます。
まとめ
酵素の摂取により、体内で必要な酵素を作る際の原料不足を防ぐことができます。
その結果、消化・吸収をサポートすることで腸内環境の整備に役立つ、体の不要なものが効率的に排出しやすい環境になるという言う意味ではデトックスが見込めるかも知れません。
酵素に医学的な意味で言われるデトックス効果はないかもしれませんが、健康維持に役立つ成分だと考えてよいでしょう。
酵素の本当の働きを知り、後悔のないように役立ててみてくださいね。
